コラム16-福井の教育、幸福度日本一

 前回のクイズの答えです。三八豪雪の時、福井市市街地では最大積雪213センチでした。この時には、多くの家の玄関が埋まり、2階の窓から出入りしたそうです。

 さて、福井では冬の時期に「立志式」が行われる中学校が多いようです。
立志式は昔の元服(大人になる時の儀式)や、中国の古典『論語』が由来とされていて、数え年で15歳になる中学2年生が人生の目標を立てる行事として、福井の偉人で幕末に活躍した橋本左内が記した『啓発録』を使う学校が多いようです。
 越前国福井藩士・橋本左内は、15歳の時、次の5項目を誓いました。そして、この誓い通り、左内は福井藩をまた日本を改革したのです。

1.稚心を去る (子どもじみた甘えを脱却する)
2.気を振う (負けじ魂で強く決意する)
3.志を立てる (目標を揺るぎなく定め、精進する)
4.学に努める (優れた人物を見習い、実行する)
5.交友を選ぶ (自分の向上につながる友をえらぶ)

 福井は学問の県です。江戸時代は、医学者の杉田玄白。橋本左内、特に左内は大阪の適塾に行くと一番優秀ということで橋本左内の銅像が一番前に並んでいます。そして由利公正、公正は五か条の御誓文を起草しました。
 その後、物理学者でノーベル賞を受賞された南部陽一郎、漢文学者で、白川文字学と呼ばれる漢字の研究をされた白川静。等、多くの学者も輩出しました。
 春江小学校校区内にある福井県教育総合研究所には、教育博物館が併設されていて、さらに多くの福井の偉人が紹介されています。

 さて、そのおかげもあってか、福井は教育熱心の県だといわれています。小中学校の学力は日本トップクラス、また体力テストでは断トツの一位です。

 その要因はいくつもあるのですが、一番大きなものは学校・家庭・地域の力にあるように思います。教育・指導に情熱的な学校の先生方の力、子供たちを育て、しつけ、様々の事を教える家庭の力、スポーツ少年団や見守り隊などのように、地元の多くの方々が見守り、みんなで子供を育てる地域の力。
 その3つの力が福井の教育を支えているのが大きいと思います。

 福井のおいしく安全な米・食材、各家庭の食育の力も大きいといえるでしょう。食育を提唱されたのは、福井県出身の医者、石塚左玄です。

 福井に住んでいるとなかなか気が付きませんが、福井の子供達は、とても恵まれていると思いますよ。そのような恵まれた環境もあってか、福井は幸福度日本一と言われています。

2019年05月31日